伊勢原市議会議員 あんどう玄一

伊勢原市議会議員 あんどう玄一

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空き家問題

空き家問題について考える事

危険な空き家を減らし、安心して暮らせる街へ

空き家問題で最も重視しているのは、適切に管理されず、周囲に危険や不安を及ぼす「管理不全の空き家」です。

老朽化した空き家の隣で暮らす市民は、倒壊や火災、防犯上の不安を抱えながら生活しています。所有者にもさまざまな事情がありますが、そのために近隣住民が危険を負担し続けてよいはずがありません。

国は空家法を制定・改正し、自治体が指導や勧告などを行う権限を整えました。しかし、実際に法律を運用するのは地方自治体です。所有者の財産権や個別の事情に配慮しながら、必要な措置を進めることには難しさがあります。

私は、行政が法律に基づいて適切かつ迅速に対応できる仕組みが必要だと考え、2023年から繰り返し一般質問を行い、市独自の空き家条例の制定を求めてきました。

所有者への支援と、法律に基づく実効性ある対応を進め、危険な空き家を減らしていく。

誰もが安心して暮らせる伊勢原を目指します。

これまでの取組

5回の一般質問から条例制定、そして実行へ

2015年5月26日 空家法の全面施行

国は「空家等対策の推進に関する特別措置法」を全面施行しました。

倒壊などのおそれがある「特定空家等」に対し、市町村が助言・指導、勧告、命令、行政代執行などを行う法的な仕組みが整えられました。

しかし、伊勢原市では、所有者への通知や管理の呼びかけが中心となり、特定空家等の認定には至っていませんでした。

2023年6月14日 空家法の改正

国は空家法を改正し、同年12月13日に施行しました。

特定空家等になる前の「管理不全空家等」に対しても指導・勧告が可能となり、勧告を受けた場合には固定資産税の住宅用地特例が解除される仕組みが整いました。

2023年6月26日 最初の一般質問

私は、空き家バンクと市独自の空き家条例の導入を提案しました。

当時、市は2018年度のアンケートで利用意向が少なかったことなどから、空き家バンクを導入していませんでした。

私は、売却を希望する人が少ないことだけを問題とするのではなく、売却できる仕組みがないことにも原因があると指摘しました。

また、特定空家に近い建物が存在しているにもかかわらず、市が「特定空家ゼロ」と判断していることにも疑問を呈しました。

市は、空き家バンクや条例について調査・研究、検討を進めると答弁。市長にも従来の対応の見直しを求めました。

2023年12月14日 2回目の一般質問

6月に提案した空き家バンクについて、市は2024年度から全国版空き家バンクを試行運用する方針を示しました。

私は、物件を掲載するだけでなく、売買や賃貸を成立させるため、不動産関係団体との連携や相談体制の整備を求めました。

一方、条例制定については、空家等対策計画を検討した上で必要性を判断するという慎重な姿勢が続いていました。

2024年6月 空家等対策協議会を設置

市は、空き家対策計画の策定や特定空家等の認定基準について、専門的な立場から協議する組織を設置しました。

2024年10月1日 空き家バンクの運用開始

2023年6月から導入を求めてきた空き家バンクが、全国版の仕組みを利用する形で実現しました。

所有者が空き家を登録し、売却や賃貸を希望する人に情報を提供する仕組みです。

2024年12月12日 3回目の一般質問

私は、長年続いてきた「特定空家ゼロ」という市の判断を改めて追及しました。

市は、特定空家に近い状態の建物は存在するものの、所有者を把握し、管理について協議していることなどから、特定空家相当はゼロと判断していると説明しました。

私は、所有者と協議していることが、危険な空き家を認定しない理由になっていないかと問題提起しました。

国の空家法には既に法的措置の権限があります。所有者の財産権や事情への配慮は必要ですが、その間にも近隣住民の不安は続きます。

私は、法律に基づく対応を進めるとともに、市独自の条例によって、早期の指導や緊急時の安全措置を可能にするよう求めました。

これに対し、市から重要な答弁がありました。

「その上で実効性を高める条例制定について具体的に進めてまいりたいと考えております。」

これまで検討にとどまっていた条例制定について、市が具体的に進める方針を示した転換点でした。

2025年6月23日 4回目の一般質問

市の実態調査で、管理が適切に行われていない空き家など120件が確認され、そのうち9件は周囲に悪影響を及ぼす状態と評価されました。

私は、これらの空き家に対し、なぜ法に基づく認定や勧告が進んでいないのかを追及しました。

市は、所有者の財産権への配慮、判断の公平性、手続の適正性などを理由に、慎重な対応が必要だと説明しました。

私は、条例制定を待たなくても、既存の空家法による措置は可能であることを指摘しました。

必要な認定や勧告を行い、場合によっては固定資産税の住宅用地特例解除まで進めるべきだと求めました。

市が掲げた「5年間で120件を60件に半減する」という目標についても、さらに踏み込んだ対応を求めました。

2025年8月 認定基準の整備

市は「管理不全空家等及び特定空家等の認定基準」を策定しました。

空き家の状態と周辺への悪影響を評価し、法律に基づく認定や指導・勧告を判断するための基準が整いました。

2025年10月3日 空き家条例が可決

2023年から繰り返し制定を求めてきた「伊勢原市空家等の適切な管理に関する条例」が可決されました。

私は、会派「いせはら未来会議」を代表して賛成討論を行いました。

新しい条例では、所有者の管理責任を明確にするとともに、法律上の管理不全空家等や特定空家等に認定される前の段階でも、市が助言・指導できる仕組みを設けました。

さらに、生命や財産に危険が迫り、所有者による対応を待てない場合には、市が必要最小限の緊急安全措置を講じることができます。

一方、国の空家法に基づく認定や勧告は、条例がなくても実施可能です。

私は賛成討論で、危険な空き家9件への迅速な対応を改めて求め、次の言葉で締めくくりました。

「本条例の制定はゴールではなく、大きなスタートである」

条例は2026年1月1日に施行されました。

2026年3月17日 5回目の一般質問

条例施行から約2か月が経過し、私は制度の運用状況を確認しました。

その結果、特定空家等・管理不全空家等の認定、法に基づく勧告、条例による緊急安全措置は、いずれも0件でした。

一方、管理が適切でなかった空き家120件のうち、28件では改善が確認されました。

私は、「制度を整える段階から、空き家を実際に減らす段階」への転換を求めました。

これに対し、萩原市長は、

「安藤議員の後押しもいただき、条例、対策計画を定め、施策を推進しているところでございます」

と答弁しました。

さらに、改善の意思が見られない場合には、法に基づく措置を進めるなど、強い姿勢で対応する考えを示しました。

2026年10月1日 伊勢原版空き家バンクの運用開始

全国版空き家バンクに加え、市独自の「伊勢原版空き家バンク」が始まりました。

新しい仕組みでは、所有者が物件を登録するだけでなく、購入や賃借を希望する人も、希望する地域、用途、金額などの条件を登録できます。

所有者が利用希望者の存在を知ることで、売却や賃貸を考えるきっかけをつくる制度です。

また、市は神奈川県宅地建物取引業協会湘南中支部と協定を締結し、専門的な相談や契約の媒介につなげる体制を整えました。

2023年からの提案が、空き家の流通を促す具体的な仕組みとして発展しています。

制度の整備から、実際の成果へ

5回の一般質問を通じて求めてきた空き家バンクの導入と市独自条例の制定が実現し、空き家対策を進めるための制度が整ってきました。

これから問われるのは、その制度によって危険な空き家が何件改善され、実際に何件減ったのかという成果です。

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