市議会議員の仕事
「私の認識」
まず、基本的な部分を抑えておきたいと思います。
以下は、あくまでも私の認識における市議会議員の仕事の定義です。
市長が市の計画や税金の使い方を決めたり、条例などを制定するには、市議会に提案し、議決されなければ実行することができません。
そのため、市役所各課の仕事において、予算や決算、条例の制定や改正等が必要になったときは、議案を作成し、市議会に提出します。市議会に提出された議案は、審議され、○か✕かの議決が行われます。「審議と議決」これが議員の基本的な仕事です。
議会・市長・行政職員の関係
市長も市の職員も行政のプロとして、適任者を広く募る必要があるため、必ずしも伊勢原市に住居がある必要はありません。それに対して、地元に住居があることを必要要件とする市議会議員選挙は、 地域代表としての適任者を選ぶためにあります。
市長選挙と議員選挙の意義の違いがここにあり、市議会議員の責務は住民の声を反映しながら、行政および自治体全体をコントロールする重要な役割があります。そのためには、法に基づき中立でなければなりません。議会制民主主義を守り発展させる使命も担っています。
市議会議員がやるべきこと
議員は選挙によって市民の福祉向上めざす責任を付託されております。その仕事を実行するための活動として「議会活動」と「議員活動」があります。議会活動とは、本会議や委員会に出席するなど、議会の構成員としての活動です。
それに対して議員活動は(政治活動とも呼ぶ)普段における調査研究活動や市民の意思把握など、自身の議会活動に活かすためのものであり、またその活動自体が本来市民の福祉向上に役立つものです。さらに、活動の前提として、議員は「特別職の公務員」であり、全体の奉仕者である議員の活動を支えるため、議員報酬や期末手当が公費から支給されております。
この「議員活動」について
時として「選挙活動」とごっちゃで評価されることがありがちです。朝の駅頭活動や街頭活動、訪問活動、地元のお祭りやラジオ体操への参加等をするとき、「偉いねー!」と市民から褒められ、嬉しくなることがありますが、本来その活動そのものの評価は、それが市民福祉向上につながる活動だったかどうか、そこで評価されるべきものと考えます。つまり、「選挙のためだけの活動」は「議員活動」ではないということです。
では、議員を何で評価すれば良いのか?選挙での指標は?
議会での「一般質問」とは
一般質問は、議員が伊勢原市の政策や制度の課題などについて、争点提起の場であり、全ての議員が、市政にかかわる全ての事項を質問できる機会です。
基本的に政策提案は市長、議決は議員が行うわけですが、この時ばかりは所管の委員会に所属していなくとも、議案にかかっていないことについても自由に質問が許され、自由な意見(政策提案)の表明も可能であり、それに対する執行者側の公式見解を得ることができます。非常に重要な時間です。
これによって、市政の争点を提起し、監査機能・政策提案機能を果たすことができるわけです。各議員の一般質問は文字や映像で確認することができます。
自由に発言が許される「一般質問」だからこそ、議員の特性があらわれます。
○ どんな質問か?
〇 監査機能、政策提案機能を果たしているか
○ どこに問題があるのかが明確か
○ その論点提起に納得できるか
○ その質問は市を良くするか
○ 問題を「問題だ」といえる情報が入っているか
○ 政策提案は具体的か
○ 伊勢原市の状況を反映しているか
○ 聞いて分かりやすく伝わりやすいか
〇 説得力があり納得を得られる内容か
自由に言える機会が与えられているので、説得力が問われるわけです。このような見方で一度議員の登壇、「一般質問」を見ていただきたいと思います。議員の質問力は総合的な政策形成力であり、議員の政治家としての活動と知見の集約となり、選挙の際に十分参考になるものだと考えます。