ここでは、書籍や論文等から導き出した、私が自ら行っている最新ダイエット手法をご紹介します。
オートファジー
1 「プロローグ」
コロナ過、自分の健康を見直す方も多いかと思います。そんな中、2016年にノーベル賞生理学・医学賞を受賞した、大隅良典博士の「オートファジー(細胞の自食作用)の仕組みの解明」に出会いました。この研究成果に付随して、現在多くの書籍が発行されております。
オートファジーとは、空腹などのストレスが人間の体を浄化するというものです。空腹時には筋肉、脳、肝臓、腎臓、が活発に働いて熱をだし、同時に白血球が活性化するので、体内の老廃したタンパク質を分解し再生をうながします。さらに、侵入してくるがん細胞など外敵を捕食する作用まで高まるそうです。そして、この働きは16時間何も食べないと起こるという内容です。驚きの連続でした。
今まで常識だった「1日3食しっかり食べないといけない」という「教え」とは真逆の内容でした。私はこれまで、朝になれば食べる。12時になったから食べる。夜お酒を飲みながら食べる。このように、腹が減ったから食べるではなく、時間が来たから食べる。という空腹時間がほとんどない生活を送ってきました。
若い時、成長段階での1日3食は必要かもしれませんが、私のように50歳を過ぎて代謝が落ちている状況でも同様の食生活をおくることについては、見直す必要があると再認識し、「オートファジー16時間ダイエット」を実行したところ、劇的な変化がありました。
まず便通が若い時に戻った?奇跡?と思えるほどよくなりました。それまでほとんど便はくだしがちだったので嬉しかったです。それとともに体重は8キロ落ちました。現在身長170センチ体重49キロです。高校時代に戻りました。「あのポッコリお腹どこにいった?」と思うほど今はくびれています。その他にも体調に良い面が多々あります。
しかし、ここにくるまでに「ダイエットの失敗」も経験致しました。その失敗から学んだことが多々ありますので、これからチャレンジされる方や、ダイエットの失敗を繰り返している方などに少しでも参考になれば幸いです。
また、この内容を通じて、結果的に多くの方が健康になるということが最大の目的です。皆様にもご自身の判断でさまざまな健康方法に関心をもっていただき、実際に試してほしいと思います。
ダイエット失敗
2 「ダイエット失敗」~にわか知識の末路~
「オートファジー16時間ダイエット」が流行したきっかけは、医学博士 青木厚著の『「空腹」こそ最強のクスリ』という著書だと認識しております。私もこの本がきっかけでダイエットに挑戦し、「ご多分に漏れず」身をもってダイエットの失敗を経験いたしました。これからお話しする失敗の経験談や研究内容など、これから始めようとする方には是非参考にしていただきたいと思います。
著書に書いてある内容はおよそ以下のとおり
1. 1日3食は食べすぎ、消化と吸収が間に合わない
2. 内臓を休ませるため16時間断食を行う
3. 断食あけの8時間は何を食べても良い
4. 断食中我慢できないとき、ナッツはいくら食べても良い
5. 16時間の断食で「オートファジー」が起こる
上記はおおざっぱな内容です。とりあえず、私にどういった失敗があったのかを簡単に説明します。
まず16時間の空腹時間中に、今まで感じたことのない激しいストレスを感じました。それまで、朝食を抜くことなんて何度もあったし、16時間食べないぐらい、なんてことないことでした。
しかし!「食べない」のと「食べられない」のとでは気持ちが大きく変わります。あと何時間?あと何分?と時間ばかりが気になります。当初は「夕方16時から深夜12時までの8時間」が食べられる時間、「深夜12時から翌日の夕方16時」までは食べられない時間と何となく決めていました。
そして「やった!16時間ダイエット終了!やっと食べれる!」となったときに、「書籍には残りの8時間は何を食べても良いと書いてある」ので、ラーメン、チャーハン、カレー、ハンバーガー、フライドポテト、スナック菓子、8時間という限られた時の中で、どんどん食べました。これまで味わったことのない夢のような時間です。「食べ物がおいしい!」久々の感覚でした。
しかし、どういうわけか、食べても食べてもお腹がいっぱいになりません。夜中12時タイムリミットぎりぎりになって「締めだ!」とばかりにカップラーメンをコンビニに買いに行って食べたりすることもありました。
「だって8時間何を食べても良いって言ったジャン!」さらに、食べない16時間の間、「ナッツ類はいくら食べても良いというルール」が書籍に書いてありましたので、アマゾンで大量に購入したナッツ類を爆食いしました。朝、昼前、夜寝る前、つまり、ダイエットの16時間食べられない時間中、ナッツ、ナッツ、ナッツ、ナッツパーティー状態です。
一度に1キロ食べたことも、吐きそうになるまで食べたこともありました。「だって16時間ナッツどれだけ食べても良いって言ったジャン!」そんな日々、実際やったりやらなかったり、痩せた時期もありましたが、1か月ぐらい過ごした結果、5キロ太りました。もともと、170センチ57キロで、痩せているが腹だけ出ているといった「典型的中年男性体型」でした。
今回のダイエットは体重を減らすことが目的ではなく、「ぽっこりお腹を解消したい」というのが真の目的だったのですが、1か月で「ぽっこり」が「でっぷり」になりました。痩せるどころか5キロ以上太ったため腹も顔もパンパンです。それと同時にとにかく体がダルい。やる気がでない。ひたすら眠い。腹は常にくだってるし…。「いったい何だったんだ」と、メンタルがかなりやられました。それまで、わりと小食で、定食を食べるにもライス少な目と言っていたのに、胃が大きくなったのか、いつのまにか「大盛でも余裕」になっていました。
私はダイエットの典型的な失敗を経験していたのでした。何を食べてもいいわけじゃないなかった。ただでさえ空腹時の食事では血糖値があがりやすいのに、糖質を過剰に摂取したせいで、血糖値の急上昇と急下降を繰り返していたのです。血糖値が上がるとインスリンが放出されます。インスリンは糖質を脂肪に変える役割があると後に知りました。
見るからに腹に脂肪がついているので、これ以上の説得力はありません。「朝食を抜くと逆に太る」という話を聞いたことがあると思いますが、まさにその状態です。久しぶりに「絶望」という言葉が頭をよぎりました。
ダイエットの邪魔をする脳内物質
3 「ダイエットの邪魔をする脳内物質」
なぜダイエットに失敗したのか。原因の一つは、どうやら脳内で働く神経伝達物質やホルモンの影響だったようです。
空腹になると、食欲ホルモンであるグレリンの血中濃度が上昇し、満腹ホルモンであるレプチンが低下します。そうなると、高カロリーなものを食べたくなるとともに満腹感がなくなります。さらに、ストレスを感じるとコルチゾールが分泌されます。この物質は、食欲を抑えるセロトニンの働きを抑制させ食欲を増加させます。つまり、人は空腹になると「食べよ、太れよ」というスイッチがいくつも入るということです。
「空腹」を感じているとき、身体は低血糖状態です。低血糖状態の身体は、糖質や脂質を過度に求めるため、吸収しやすい状態になります。こうなると、身体は太りやすい状態となるため、食事制限をしてもなかなか体重が減りません。
さらに、空腹状態が続くと、身体は筋肉を分解してまでもエネルギーにしようとするので、筋肉量が低下します。それにより基礎代謝も低下し、結果的に痩せにくい体になっていきます。空腹のストレスで分泌されるコルチゾールの怖いところは、成長ホルモンの分泌を抑える作用もあるということです。成長ホルモンが抑えられると何が怖いのかというと、筋トレしても筋肉がつかなくなります。
筋トレは鍛えることで組織を傷つけ、新たに筋肉の修復や再生を促すことで筋肉を増強させることが目的ですが、成長ホルモンが低下すると、この修復再生機能が抑制されます。つまり、いくらハードな筋トレをしても筋肉がつかなくなってしまうのです。結果、筋肉が落ちる。基礎代謝が減って痩せにくくなるということです。
ただ誤解してはいけないのが、コルチゾールは生命維持のために欠かせないホルモンのひとつだということです。コルチゾールの本来の役割は、飢餓状態などで命の危険がある場合に分泌され、血圧や脈拍を上昇させる生命維持装置の働きがあるのです。しかし、ストレスによりコルチゾールが増加すると、成長ホルモンの働きを阻害。基礎代謝は低下。また、大量のインスリンが分泌されます。インスリンはエネルギーを脂肪にする働きがあるため、「ストレス太り」になるわけです。
また、睡眠不足もダイエットには大敵です、冒頭で空腹の際に分泌されると紹介したグレリンとレプチンは、睡眠不足によっても食欲増進と満腹感の抑制に働いてきます。神経伝達物質やホルモンの働きについては以下のとおり
1.レプチン:食欲抑制ホルモンで、空腹や睡眠時間が少ないと分泌が減少する。
2.グレリン:食欲増加ホルモンで、空腹や睡眠時間が少ないと増加する。
3.成長ホルモン:体の組織の発達や修復、維持に関与し、健全な新陳代謝を促進する。空腹や睡眠が少ないと分泌が減ってしまう。
4.コルチゾール:ストレスからカラダを維持、防御するために分泌される。ストレス過多になると、成長ホルモンの分泌を妨げ、過剰なインスリン分泌を招き、脂肪を溜め込みやすくなる。
また、食べているときには快楽ホルモンのドーパミンやβエンドルフィンといった脳内物質がたくさん分泌され、摂食中枢はアクセル全開。糖質への欲望は満腹中枢のブレーキを無視して、限界を超えてまで「もっとくれもっとくれ」となるわけです。ダイエットは甘くない。正しい知識が必要だと学んだ次第です。
人類500万年進化の成果
4 「人類500万年進化の成果」
ところで、人間はなぜ、こんなに必要に迫られるがごとく「太ろう太ろう」とするのでしょうか?
それは、どうやら人類の歴史が起因しているようです。人が食べ物を比較的不安無く手に入れられるようになったのは、歴史的に見てもここ数十年のことです。人の歴史は飢餓との戦いでした。人類が登場してから500万年、つい最近まで飢えとの戦いの繰り返しだったわけです。その間人類は、食物を脂肪として体に蓄える術を身につけ、生き延びてきました。脂肪の蓄積は生存をかけた進化だったわけですね。
必死にダイエットを研究する自分が恥ずかしく思えます。つまり、人間の性質、進化の成果として、脂肪を蓄える能力に優れ、体重が減ることを嫌い、脂肪のエネルギーを使う事も嫌がります。脂肪はいざという時の大切なエネルギー源であり、体温維持、脳への栄養補給、内臓器官を守るなど、人の命にかかせない物質なのだということがわかりました。
このような学習を進めるうちに、脂肪が減らないメカニズムがだんだんと解き明かされ、腑に落ち、絶望の暗闇でふさぎ込んでいた状況に、光明が見えたと言いますか、克服すべき課題が見えてきました。新たなステージへ進める気がしてきましたね。
16時間断食の誤解
5 「16時間断食の誤解」
ところで、最近「1日3食」は食べすぎだといった内容の書籍が多数ありますが、なぜ1日3回食べてはいけないのでしょうか?
これまで幼少のころから「3食しっかり食べなさい」と教えられてきました。厚生労働省では現在「栄養3・3運動」を推奨しております。これは、毎日、朝・昼・夕の3食と、3色食品群のそろった食事をとりなさいという内容です。
必要以上に食べると、胃や腸などの内臓に負担がかかります。また、食べすぎが慢性化すると、消化、吸収、排出に影響を及ぼし、免疫力が低下するなどといった致命的な問題も起こります。そしてこの典型的な末路がメタボリックシンドローム、肥満です。
ご存じの通り、肥満は糖尿病や脳出血・脳梗塞、がんの原因となる深刻な身体状態です。また、成人が1日に必要とする糖質はおよそ170グラムで、ご飯一杯に含まれる糖質は約50グラム。これを1日3回食べただけで150グラム。さらにデザートを食べれば170を超えてしまいます。
また、現代の食べ物にはありとあらゆるところに糖質が使われているため、いとも簡単に糖質を取りすぎてしまいます。現在のメタボに対する特定保健指導のベースにあるのは、1日3食で、栄養バランスの良い食事、カロリー制限、糖質制限といった内容。では、逆にここで、「1日2食以下にする」「16時間空ける」ことは本当にダイエット効果があるのか?健康に良いのか?私のポッコリお腹はへこむのか?という振出しに戻ってみたいと思います。
私は1日2食派ですが、それまでダイエットに失敗し続け、「へこんだのはメンタルだけ」でした。結論から申し上げますと、「食事と食事の間を16時間あけることにダイエット効果はありません」あくまでオートファジーが発動するだけです。
16時間あけたところで、今までの2倍食べていたら太ります。「1日3食」より「2食」にした方が、普通の人は食べる量が減るだろうという考えからダイエット効果を期待するのですが、私のように16時間あけたとたん、「THE欲望の塊」「ドーパミンマシーン」のようになってしまう人間には通用しません。
ですので、16時間あけることによる実質的効果は「ダイエット」ではなく「細胞の共食い作用による健康効果」です。16時間断食の効果については、数多くの書籍やSNSで発信がなされており、実際にダイエット効果が出ている人も続出しています。
しかし、「16時間以外は何を食べてもいい」と書いてあったが、炭水化物を爆食いしていいわけではなかった。「お腹がすいたらナッツをいくら食べてもいい」と書いてあったがナッツを1キロも食べていいわけではなかった。私の勉強不足と誤解の産物が体重5キロプラスだったということです。
ダイエット効果は「便」にでる
6 ダイエット効果は「便」にでる
現在、ダイエットに限らず、美容でも、若返りでも、数限りない書籍が出回っており、読者は自分の判断で購入し、実践したりしなかったりしております。
まさに、取捨選択能力が問われる時代です。もちろん、何もせずに「現状維持」を選択すればリスクは回避できます。しかし同時に「ポッコリお腹」と一生付き合うことになりますね。
私は自分の納得いく結果を出したいと思って行動しました。結果、失敗はしましたが、その後の「学び」が私の人生を左右するぐらい大きいものでした。自分に合うやり方は何なのかについては、「トライ&エラー」を繰り返すしかないと思います。
そして、自分のチャレンジが「成功」しているのか「エラー」を起こしているのか、判断材料のひとつとして断言できるのは「便の状況」です。食事、運動、睡眠等、日々の生活習慣が改善されると、お通じの回数、色、形、いろいろな面で良くなるはずです。
逆にダイエットによって「便秘」になる人がいますので、その方法は自分には効果が無いとあきらめた方が無難かもしれません。その前にもともと便秘でお悩みの方、便を大腸の伸縮によって体外に排出させる動き、いわゆる「大ぜん動」をご存じでしょうか。これは、通常の大腸の動きの200倍速く便を移動させる「超速排便活動」です。通常1日に2回程度起こるそうです。便秘で悩んでいる方はこの活動が大腸で起こっていない可能性があります。
大ぜん動を起こす方法は、しっかりと熟睡した睡眠をとること、胃と小腸を8時間空にすること、基本これだけです。8時間後、最初の食事が大ぜん動のスイッチになります。空腹時間が体に良いということが、ここでもうなずけると思います。「お通じを通じて」腸内細菌と語り合いましょう。
私の健康ダイエット(ダイジェスト版)1 食事は1日2食、朝一杯の白湯2 食事は腸内細菌が喜ぶ野菜中心の基本「鍋」3 空腹時にナッツ4 運動は生活の中で工夫する5 睡眠6時間以上6 一週間に1日は好きに食べる自分の行動が正解かどうか、結果は「便」に出ます。
腸内細菌は大切な家族
7 「腸内細菌は大切な家族」
「腸は第二の脳」あるいは「腸活」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。
これまでの腸に対する考え方は、小腸で栄養摂取をして、大腸では水分を吸収し、固形にして排泄する場所でした。しかし、近年の研究により、排泄だけの装置ではなく、腸内の微生物の力でビタミンなどの栄養を吸収していることが分かってきました。
私が学んだ腸についての知識は以下のとおり。
1. 腸内には100兆個もの腸内細菌が棲みつき「腸内フローラ」を形成
2. 腸内細菌は、善玉菌、悪玉菌、日和見(ひよりみ)菌の3タイプ
3. 善玉菌を増やすと体に良い影響がある
4. 日和見は善玉か悪玉、割合が多い方に味方する
5. 腸は脳や各臓器とネットワークでつながっている
6. 腸の状態が悪くなると病気になりやすくなる
7. 腸にはウイルスと戦う免疫細胞の6割が集まっている
8. 腸では幸福物質セロトニンの9割が作られている腸内に良い環境を整える食事
- 発酵食品(納豆、ヨーグルト、みそ、醤油、酢、キムチ、チーズなど)
- 水溶性食物繊維(ブロッコリー、海藻、ごぼう、オクラ、そばなど)
- オリゴ糖(バナナ、玉ねぎ、はちみつ)
- EPAとDHA(青魚、鮭、亜麻仁油など)
野菜全般食物繊維が不足している人は、フィルミクテスモンの細菌が繁栄しており、それが肥満の原因になっているそうです。食物繊維の摂取量と肥満には相関関係があることを示す研究は大量にあります。
また、腸を整える生活習慣として大事なことは、空腹時間をつくることです。腸は空腹時間に腸内の掃除を行います。掃除ができないと腸内に腐敗した食べ物が残り、悪玉菌増加の原因となってしまいます。
腸は我々を病気の原因因子から守ってくれています。免疫細胞の6割は腸で作られているのです。もっと腸が喜ぶことをすべきです。働きやすい環境と栄養を継続的に供給する必要があると思います。そのため、自分にも腸内細菌にも合った食事を考えなければなりません。16時間断食は、その間に腸を休ませることができるという良い効果があったわけです。
もうひとつ重要なことは、腸が働きやすい環境を整えるため、温度を下げてはいけません。腸は暖かい環境だとより活性化します。そのため、朝一番から気持ちよく働いてもらうために、「白湯」を飲むと良いわけです。よくモデルさんが「毎朝、白湯を飲んでいる」のはこういった理由だったのです。
食事は野菜中心に食物繊維、発酵食品、ナッツ類など、善玉菌が喜ぶ栄養源の供給を行いましょう。私は、「腸内細菌が喜ぶだろうか?」と意識しながら食事をするようにしています。腸内細菌の働きが、健康にもダイエットにつながるということをお忘れなく。
お肌に良い油と悪い油
8 お肌に良い油と悪い油
ダイエットや筋トレのために、タンパク質が必要だということはよく知られたことだと思いますが、実は脂質も重要です。特に、筋トレやダイエットにも、「良質な脂質」が重要だそうです。
一般的な脂質は摂りすぎると中性脂肪や悪玉コレステロールを増やし、肥満や生活習慣病などのリスクが高まるので注意が必要ですが、「良質な脂質」は、エネルギーとして消費されやすく、中性脂肪を逆に減らす働きがあるので、ダイエット中には特に摂りたい栄養素となります。
脂質について重要だと思った内容は以下のとおり。
1.常温で固体の脂は太りやすい(バターなど)
2.常温で液体の油は太りにくい(オリーブオイルなど)
3.摂取する油はオメガ3系がよい(魚油、亜麻仁油、エゴマ油などは良質な油)
4.オメガ9系の油はまぁまぁ良質(オリーブオイルなど)
5.オメガ6系の油は良質でないからやめた方がいい(サラダ油など)
6.MCTオイルは良質で太りにくい油である(ココナッツオイルなど)
7.マーガリンなどの悪質な油(トランス脂肪酸)は絶対に食べてはいけない
8.トランス脂肪酸は人工の油であり、悪玉菌を増やしガンを誘発する可能性大。
固体のものを「脂」液体のものを「油」と書きます。固体より液体の油の方が太りにくいということや、油の種類によって体に良いもの、そうでないものがあるわけですね。特にきれいな肌を維持したい、手にいれたい、取り戻したいと思っている方、良質な油の摂取は非常に重要です。
男性は気にしていない方が多いかもしれませんが、ダイエットのついでにお肌のケアもやっていきましょう。油の摂取次第で肌を内面から若返えらせることができると思います。
肌は食べたもので作られます。肌がガサガサの人が、「潤いを~」といって化粧水をバシャバシャつけても「砂漠の一滴」にしかなりません。それこそ化粧品メーカーの思うつぼ。食べ物から改善していきましょう。
乾燥肌に効果のある栄養素はズバリたんぱく質です。アミノ酸を豊富に含む肉や卵などを摂取しましょう。また、たんぱく質はコラーゲンの元です。不足すればツヤとハリが失われ、肌のターンオーバーが起きなくなってしまいます。お肌でもオートファジーみたいな事が起こっているのです。
食材としては、肉類、魚類、卵、大豆製品、乳製品、具体的には、牛やラムなどの赤身肉、鶏ささみ、納豆などがオススメですが、赤身肉は別の理由で食べすぎに注意してください。
また、「油」に戻りますが、お肌はオメガ3系脂肪酸のような、良質な脂質が大好物です。オメガ3系脂肪酸は、体内でつくることのできない不飽和脂肪酸のひとつで、血液サラサラの効果も期待できます。
私と同じ面倒くさがりのあなた、「アマニオイル、エゴマ油、ココナッツオイル」の3本を買って、それぞれ毎日スプーン1杯飲みましょう。これでOK。便通も良くなります。
しかーし、これだけは肝に銘じておいてください。ファーストフードやインスタント食品、マーガリンなどに含まれる「トランス脂肪酸」に注意してください。全てを台無しにしてしまいます。海外では、お肌どころか「早死にする」という科学的なエビデンスも出ていますので、食べない方が身のためです。
糖質のやばい話
9 「糖質のやばい話」糖質の話はロバート・H・ラスティグ著「果糖中毒」が参考になります。この本はアメリカで出された229の医学論文から導き出されている本で、まさに糖質エビデンスのベストセレクションというべき書です。要点は以下のとおり。
砂糖について
1. 近年肥満が増加した原因は砂糖
2. 砂糖はエンプティカロリー
3. 砂糖は脂肪と炭水化物が合わさった最悪のもの
※エンプティカロリー「高カロリーにもかかわらず栄養は空っぽ」という意味
果糖について
1. 果糖は肝臓のインスリンの効きを悪くする
2. 肝臓でインスリンの作用が欠乏すると血糖値が上がり糖尿病につながる
3. 果糖はメーラード反応によりがんを加速させる
人工甘味料について
1. 長期的に体に与える影響がわからない
2. 脳に与える影響がわからない
3. 腸内細菌の構成を変える可能性がある
糖質は人間の体になくてはならない大切な栄養です。しかし、摂りすぎると害でしかありません。しかも脳は常にブドウ糖を欲しがっています。合法的な依存商法が無数に成り立つのも理解できますね。糖質については、ダイエットの重要物質ですので、繰り返しになりますが、あらためて整理しておきます。
1.炭水化物やお菓子などの糖質を多く含む食べ物は血糖値を上昇させます。
2.血糖値があがるとインスリンが分泌され血糖値が下がります。
3.インスリンは余った糖質をグリコーゲンや脂肪に変える働きもします。
4.インスリンの分泌が多いとお腹や内臓に脂肪がつきます。
糖質の摂取量をコントロールし、血糖値の上昇を抑えることが、インスリンの分泌量を減らし、脂肪の生成を抑えることにつながることを忘れないでください。カロリーの摂取量を気にする時代は終わりました。カロリー計算はダイエットに関係なかったという「エビデンス」が出てきたからです。
エビデンスに基づく、最新ダイエットの定跡は「初手、糖質計算」に変わりました。