【政策】市役所のAI・DX改革
AIの力で行政を変え、市民サービスの向上へ
市役所の仕事は、福祉、防災、子育て、道路管理など、市民生活のあらゆる場面に関わっています。
人口減少や高齢化が進む中、限られた職員と予算で、多様化する市民のニーズに応えていかなければなりません。
私は、そのためにAIの活用が不可欠だと考えています。
AIを活用すれば、膨大な資料の検索や文書作成、問い合わせへの対応など、さまざまな業務を効率化できます。
職員が事務作業に費やす時間を減らすことで、市民との対話や相談、現場での対応など、人にしかできない仕事に、より多くの時間を使えるようになります。
また、古い規則や要綱の見直し、部署ごとに分かれた情報の共有など、行政の仕組みそのものを改善することも重要です。
「作業はAIに。判断は人に。」
私は、AIを積極的に活用し、行政の生産性を高め、市民一人ひとりがより良い行政サービスを受けられる伊勢原市を目指しています。
ChatGPT導入への挑戦
視察から全庁運用へ
2023年、私は総務常任委員長に就任し、委員会の懇親会で、市の幹部職員や議員に対して「伊勢原市でもChatGPTの導入を目指す」と宣言しました。
当時、生成AIを行政業務に導入する自治体はまだ限られてた。
同年8月8日、全国に先駆けてChatGPTを導入した横須賀市を総務常任委員会で視察。伊勢原市の情報政策担当職員も同行し、実際の活用方法や業務効率化の効果、情報セキュリティ対策などを調査しました。
その後、伊勢原市では2023年8月から9月にかけて、職員を対象にChatGPTの無料実証実験を実施。
実証実験では、7割以上の職員が業務の効率化につながると回答し、生成AIの有用性が確認されました。
そして2024年6月1日、伊勢原市でChatGPTの全庁運用がスタート。
視察から実証実験、そして全庁運用へと着実に進み、生成AIが日常の行政業務に取り入れられる大きな一歩となりました。
市民サービスへのAI活用
提案から実現へ
2025年3月 生成AIチャットボットの導入を提案
市役所に問い合わせても担当部署が分からず、何度も電話を転送され、同じ説明を繰り返す。こうした市民の負担を減らしたいと考えました。
従来のLINEによる問い合わせ機能は、用意された選択肢から質問を選ぶ方式でした。
私は、市民が自分の言葉で質問でき、24時間いつでも回答を得られる生成AIチャットボットの導入を提案しました。
併せて、ごみ分別の案内や防災情報の提供など、幅広い市民サービスへのAI活用も求めました。
2026年7月1日 2つのAIサービスが実現
伊勢原市は、次の2つのサービスの運用を開始しました。
① 生成AIチャットボット
市の公式LINEやホームページから、行政手続、福祉、子育てなどについて、自分の言葉で質問できるようになりました。
AIが市の情報を検索し、関連するページとともに回答します。
② ごみ写真AI判別サービス
スマートフォンでごみを撮影すると、AIが品目を判別し、分別方法を案内してくれます。
どちらも、市民が必要な情報を自分で調べられる仕組みです。
高齢者の見守りにもAIを
2025年12月の一般質問では、高齢者の見守りや家族の介護負担を軽減するため、AIやデジタル技術の活用を提案しました。
2026年6月には、市が介護事業所向けの勉強会を開催し、神奈川県とAIアバターによる見守り支援について協議を進めていることが明らかになりました。
市からは、私の一般質問が「一つの契機」となったとの答弁もありました。
私は、AIとの会話によって高齢者の孤立を防ぎ、家族が離れていても安心できる支援の仕組みを目指しています。
AIの活用で、市民の利便性を高め、職員が複雑な相談や支援により多くの時間を使える行政へ。
今後も、導入したサービスの利用状況や効果を検証しながら、改善を求めていきます。
古い行政手続・ルールの見直し
AIで行政のムダを減らす
2025年6月23日 一般質問で公図提出の必要性を追及
道路に工事用の足場を設置する際、伊勢原市では道路占用許可申請に「公図の写し」の提出を求めていました。
公図を取得するには、法務局へ出向くなどの手間や費用がかかります。
その根拠となっていたのは、1987年に制定された「伊勢原市道路占用規則」です。
私は、他の図面で必要な情報を確認できるのであれば、わざわざ公図を提出する必要があるのかと質問しました。
市は、実際に公図を省略した事例が多数あることを認め、規則の見直しも含めて検討する考えを示しました。
さらに、市民に提出を求めている書類の必要性や法的根拠を全庁的に点検し、その作業にAIを活用することを提案しました。
市からは、これまで全庁的な実態調査を行った経過は確認できず、定期的に提出書類を見直す共通の仕組みも整っていないとの説明がありました。
2026年4月 道路占用申請の手続を改善
その後、土木部長から、公図提出の取扱いを見直すとの連絡がありました。
市は2026年4月に道路占用規則を改正し、公図の写しについても、必要な情報を確認できる他の図面などで代替可能な場合があることを案内しています。
一般質問で指摘した手続の改善が実現しました。
2026年9月 全庁的な見直しを再提案
私は、今回の事例を市役所全体の行政改革につなげるため、規則・要綱・申請手続の点検にAIを活用するよう改めて求めました。
市は、AIによる法的根拠の確認や、他自治体との比較、実際の運用との整合性の点検は有効だと答弁しました。
一方、提出書類の根拠を全庁で一元管理する仕組みは、まだ整っていません。
行政手続には、安全性や公平性を確保するために必要なものがあります。しかし、時代の変化によって必要性が薄れた手続もあるはずです。
私は、AIを活用して行政手続を一つ一つ検証し、市民と職員の双方の負担を減らす改革を進めたいと考えています。
AIが活用できる行政情報の整備
「検索すれば分かる」市役所へ
市役所には、条例、規則、要綱、事業計画、予算資料など、膨大な情報が蓄積されています。
しかし、情報が部署ごとに管理され、担当者に聞かなければ分からないことも少なくありません。
私は、行政が持つ情報をAIで横断的に検索・分析できる仕組みが必要だと考え、一般質問を重ねてきました。
2025年12月16日 独自AI(RAG)の活用と情報の正確性を追及
伊勢原市では2025年3月から、条例や規則、要綱などをAIに参照させる「RAG(検索拡張生成)」の試行運用が始まっていました。
RAGは、AIが市の行政文書を検索し、その内容を根拠として回答する仕組みです。
私は、AIに読み込ませた文書が古かったり、互いに矛盾していたりすれば、誤った回答につながる可能性を指摘しました。
市は、各所管課で文書の見直しを進め、正確性を確保しているとの認識を示しました。
私は、部署ごとの管理に加え、全庁横断的に行政文書の整合性を検証する仕組みを求めました。
2026年3月17日 RAGの利用状況と全事業のデータ管理を追及
市の答弁で、2026年1月の生成AI利用6,626回のうち、RAGの利用は140回、約2.1%にとどまっていることが明らかになりました。
市は、回答精度を含めた検証が必要との認識を示しました。
私はさらに、予算・決算・行政評価・根拠法令などが別々に管理されている問題を取り上げました。
当時、一般会計の予算書には497事業が掲載されていましたが、「予算の概要」で内容が説明されているのは247事業でした。
市に確認したところ、これらの資料を横断的に管理する仕組みはありませんでした。
そこで、全事業に年度をまたいで変わらない「事業ID」を付け、予算・決算・事業評価・根拠法令を結びつける仕組みを提案しました。
市は、システム改修やデータの整合性確認に時間と費用を要するとしながらも、提案の重要性を認め、中長期的に研究する考えを示しました。
2026年9月29日 予算の積算根拠と情報共有の仕組みを追及
私は、予算の金額がどのような人数、単価、数量などを根拠に決められたのか、その情報が市役所内部で適切に引き継がれているかを質問しました。
市の答弁では、予算要求時の積算根拠は財務会計システムに入力されているものの、査定後の最終的な積算根拠は反映されておらず、各課が資料を個別に管理していることが明らかになりました。
私は、過去の積算根拠を蓄積し、予算と決算の実績を比較できる仕組みを求めました。
市は、情報管理には**「改善の余地がある」**と認め、過去の積算実績や経緯をデータ化・蓄積することの重要性も示しました。
一方、詳細な積算根拠を議会へ事前に提供することについては、事務量や日程上の課題があるとの答弁でした。
「聞かなければ分からない」から「検索すれば分かる」組織へ
職員が異動しても、過去の事業の経緯や判断の根拠を簡単に確認できる。
予算と決算を比較し、事業の必要性や成果を検証できる。
こうした仕組みが整えば、職員の業務効率化だけでなく、行政運営の透明性や政策立案の質の向上にもつながります。
行政が長年蓄積してきた情報を、組織全体で活用できる財産にする。
私は、AIを活用した行政情報の整備を、引き続き求めていきます。
AIを活用した市役所全体の業務改革
市役所の仕事の進め方を変える
AIを導入することで、文書作成や情報検索などの業務は効率化できます。
しかし、行政全体の生産性を高めるには、長年続けてきた仕事の手順や部署間の連携なども見直す必要があります。
私は、AIを活用したBPR(業務改革)によって、市役所の仕事の進め方そのものを改善することを求めてきました。
2026年8月25日 民間企業とDX推進の連携協定を締結
伊勢原市は、ミツイワ株式会社と「行政事務のDX推進に関する連携協定」を締結しました。
この協定では、AIを活用した行政事務の効率化、現場への技術支援、職員の人材育成などを進めます。
特に注目したのは、AIを搭載した業務プラットフォームを使い、既存の業務プロセス全体を再構築する取組です。
BPRとは、これまでの仕事の手順や役割分担を根本から見直すことです。
2026年9月29日 一般質問で改革の具体的な内容を確認
私は、今回の協定によって、これまで提案してきた行政改革がどこまで実現できるのかを質問しました。
市は、インターネットに接続しない内部ネットワークにAI基盤を構築し、個人情報を扱う内部事務にもAIを活用する方針を説明しました。
これまでのChatGPTなどによる文書作成支援から、住民情報を扱う業務の改革へと、活用範囲が広がります。
また、住民情報を扱う業務でBPRを実施し、成果を検証しながら対象を段階的に拡大するとの答弁がありました。
さらに、私が繰り返し提案してきた「AIを自治体運営の基盤として活用する」という考え方についても、今回の協定によって、より具体的かつ実行可能な形で進展するとの見解が示されました。
職員の能力を市民サービスに生かす
今後は、業務の効率化によって生まれた時間を、どのように活用するかが重要です。
職員が市民の相談や複雑な課題への対応、政策の立案などに、より多くの時間を使える環境を整える必要があります。
今回の連携協定は、そのための新たな取組です。
私は、AIによる業務改革が、職員の負担軽減と市民サービスの向上にどれだけつながるのか、具体的な成果を確認していきます。
AI・DX改革の成果と課題
年間1万時間の削減を市民サービスへ
2026年9月 決算審査で大きな成果を確認
伊勢原市では、AIやRPA(パソコンの定型作業を自動化する技術)などの活用が進み、業務時間の削減効果が大きく伸びています。
市が公表した年間の業務削減時間は、次のとおりです。
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2023年度:1,814時間
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2024年度:3,380時間
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2025年度:10,031時間
わずか2年間で、約5.5倍に増加しました。
2025年度には年間1万時間を超える業務削減効果が確認され、市役所のAI・DX改革は着実に成果を上げています。
削減された1万時間をどう生かすか
私は、こうした業務効率化の成果を評価しています。
一方、業務削減時間が増えても、職員の時間外勤務が同じように減少しているわけではありません。
行政の仕事は複雑化し、市民から求められるサービスも多様化しています。
私は一般質問で、AIを活用して生まれた時間を、職員の負担軽減や市民サービスの充実にどうつなげるのかを問い続けてきました。
市民との相談や対話、現場での対応、政策の立案など、職員が専門性を発揮できる仕事に、より多くの時間を使える環境が必要です。
職員の意欲を高める人事評価も重要
2025年12月の一般質問では、AIを使って仕事を早く終わらせた職員が、かえって多くの仕事を抱えてしまう「能率のパラドックス」を取り上げました。
市は、業務の効率化や生産性向上を人事評価に反映する必要性を認め、AI活用による新たな改善成果を評価できる仕組みを検討する考えを示しました。
今後の課題――成果を市民の暮らしへ
私は今後も、次の点を重視して行政改革の進捗を確認していきます。
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AI・DXによる業務削減時間と経費削減効果
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職員の時間外勤務や業務負担の改善
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市民サービスの利便性と満足度の向上
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AIを活用した業務改善を評価する人事制度
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BPRによる業務全体の見直しと具体的な成果
人口減少や高齢化が進む中、限られた人員と財源で行政サービスを維持・向上させるためには、AI・DX改革をさらに進める必要があります。
「作業はAIに。判断は人に。」
職員の能力を十分に生かし、市民一人ひとりに、より良い行政サービスを届けられる伊勢原市を目指します。
